沢山の苦しみがあった、認めたくなくてもきっと、憎しみと呼べるものもあった。
あったじゃない、きっとまだある。
乗り越えたとは胸を張って言えない。
押し潰されることはもうないけど。
ふとした時に思い出す、自ら蒸し返すことさえある、それで嫌な気持ちになることもどうにもならないことも知っている。
痛めつけてやろうなんて馬鹿馬鹿しいか、本当に馬鹿馬鹿しいだけ？
あの人は今どんな気持ちで、私を傷付けたことを、他人を傷付けたことを、一体どんな感じ方で生きていったら平気でいられるんだろう？
もしかしたら本当に何とも思っていないかも、本当にそんな野蛮な人だったのかも、とか考えたって何も見つからない、究極どうでもいいこと。
なのに忘れない。
きっと一生忘れない。


それでも
それでも、いち大事なのは私の人生で
確かにあの頃の感覚とは違うけど、いまだっていまを生きていると云える、実感してる。
嬉しいことも沢山あって、また人を愛せた、そうやって涙も流せた。
たいせつなのはそっち。